2016年7月5日火曜日

interview : ロベルト吉野


interviewer : DJ Doppelgenger 1. 吉野君と言えば、まず「サイプレス上野とロベルト吉野」が世間では認知されてると思うんだけど、自分にとって吉野君のキャラって完全にメタルであって。其処について聞きたいんだけど、ヒップホップとメタル、双方どういう経緯で好きになって、の今のような表現スタンスになったかな?


HIPHOPを好きになったきっかけは、特にこれを目指すんだって言える壮大なポイントは無いんだけど、ざっくり言うと中学時代から始めたSK8から影響を受けてる。当時見まくったGIRLGOLD FISHXYZVHS、あと地元の環境がそうさせた。プロスケーターもDJも先輩でいたから話は早かった。同時に勉強や義務教育なんてもんは気付けば全部シカトしてた。中学校はほぼ三年間、ヤンチャな夜遊びした後に行って寝る場所みたいな感じ。毎日VHS見て研究してた。そのビデオの音がHIPHOPMETALもかかっていて自然と好きになっていった。僕が住むドリームハイツは、目と鼻の先に遊園地があって、昼間の賑やかなイメージとは真逆に、夜はスケーターとバイカーと暴走族の溜まり場でしかなかった。沢山の様々なストリートの影響を、家から5分の場所で教えてもらいすくすくと自然にHIPHOPを聴く様になっていった。
HR/HMは更にさかのぼり、小三の時に兄貴の影響で聴き始める。ある時、小学校の航空記念写真で自分だけガンズの派手なTシャツを着てて浮いてた時期がある。なんていうか、親父の影響でプレスリーや長渕剛を聴いてたけど、兄の部屋から毎日80~90年代初頭のHR/HMが爆音でかかっていて気になってしょうがなかった。それが無ければ影響受けずにその時METALCDを買っていないし聴いていなかったと思う。兄に最大級の感謝。そして時を得て高校2~3でRAPを始めて、同時期に沢山の音楽を知りたいと思いタンテを購入。今のような表現スタンスになったのは、住んでる町の環境や人が結果的そうさせたと思う。音に限らず、良い物はジャンル関係なく良いという一つの物に固着しないという様々なタイプの個性的な人が沢山居た事、+成長期の自分のある意味欲張りな感情や願望がそうさせたと思う。根底には様々なジャンルの音がかかるSK8、何でもミックスな地元があったからかな。

そういえば、昔川戸サイクルっていう自転車屋の奥の部屋がヤンキーの溜まり場だったんだけど、蓋が付いた本物の拳銃が沢山壁に飾られてたな。外には密輸したと思われる猿がいて、エロ本もそこで強制的に見せられたな。そこのオヤジ、カツラを接着剤でつけてたらしい。癌で死んだけどね(笑)」

2. とんでも親父だね。笑
吉野君のバックボーンがだいぶ見えたよ。
さて、去年DMC全国大会でくしくも優勝にはならなかったけど、あのセットはバトルを越えたエンターテイメントを感じたんだ。吉野君的に、バトルDJをどのように捉えてるのかな?
例えば、スクラッチの技を見せるような、Q BERT的なアプローチというよりは、SWAMPとかKID KOARAとか、より音楽性とかストーリー、パフォーマンスに比重があると感じるんだけど、何か意識してる事はあるのかな?

「昨今ターンテーブリストは色々な音のスタイルがある訳だけど、自分はパーソナルな部分を、更に言えば自分という人間を音にどう憑依させるかってのがテーマの一つでもある。やはりそこはMETALの影響がでかいと思います。もちろん基本練習は自分なりにしてるけど、&やりやすい音があったら作ってやる、昔はそれだけだったけど、今はそれだけではないんだ。去年のルーティンの曲は生活の起爆剤、朝や夜やる気を出す為にずっと聴いてた曲。影響を受けて感化され、涙し生きてく糧になった曲。一生聴くだろうと思う曲や色々とその時その時の状況とリンクして、教えられお世話になった曲を使ってる。政治や歴史や過去のアンチテーゼの勉強にも勿論なるけど、それをあーだこーだ言ってるだけではナンセンス。今は時代が違う。基本的には日々の生活で助けられた曲に恩返ししたいから、曲の意味合いに自分の愛を投影しつつって意識を持ってやってる。そしてこれからも。そうゆう思いでいればこりゃまた自然に、音楽性とかストーリー、パフォーマンスに比重があると客観的に思われてもおかしくないかもね。お陰ですっごくマイペースだけど、ゆっくり曲を選び、どう動くかなどじっくりイメージし楽しくやれてる。」

3. なるほどね。言わば選曲、1つの世界を作るって事だね。且つそこにターンテーブリズムが加わると。ある意味、先のバックボーンがそのまま反映されてるって事なんだね。それがある種の説得力、吉野君のありのままの存在が伝わるんだと思う。
吉野君と仲を深めるきっかけになったのが、ヒマラヤ聖者ヨグマタ氏のトークショーに一緒に行ったのが印象深いんだけど、瞑想に興味を抱いたきっかけとか、それについて思う事は?
あれ以前、吉野君とはクラブで1回顔を合わせた程度、正直俺はどんな顔だったかもなんとなくしか覚えてなかったね。笑 それがいきなりFBでメッセがきて、謎の誘いを受けて、こいつなんかやばい。。。と興味本位でその誘いに乗って再会したのが、此処での全ての起こりだよね。

「そう、FB上で俺が元君のインド話に興奮してメッセージを送ってしまい、会うの2回目で一緒に新宿の紀伊国屋ホールでヨグマタジのダルシャン(トークショー)を見に行くっていう、不思議なあの感じ、本当に最高だった。
瞑想に興味を持ったのは、漠然とだけど、昔から見えない世界に興味があってヨグマタジに会う前によくネットで調べて自己流で幽体離脱の真似事してた。ある時、いつものように弛緩法&呼吸法をして意識を集中してると、バーっと耳鳴りがして一つの点が近づいて来て、第3の目来たーなんて思い、気が付くと家の隣の芝生に立ってたって経験がある。草木は全部キラキラに輝いて見えて生命力に満ちてた。離脱に成功したと思ったんだ。ただ、その瞬間意識は自分に戻ってた。次の日から3、4日間、人のオーラの色がずっと見えてて、これは霊障だなと思い死ぬと思い怖くなってやめた。
それ以降自分の判断で、そうゆうことをするのは全部やめて、今は師の元で、前の様に心の奴隷になるのではなく、安全に愛に満ちた瞑想を毎日させて頂いています。瞑想は、死んだ時にどうするか、ある意味死ぬ練習でもあるんだ。そして本当の自分を探求し愛するという事。この年で、やはりこうゆう話をすると、みんなビビり目が点になるけど、色々と自分に打ち勝つって点に関しては、若いうちから死生観とは?という事を理解して、愛とは何かと考える事がすごく重要だと思う。人は生まれた瞬間から死が決まっているなら、なんでこの世に生まれてきたのか、そして自分とは誰なのか、心とはなんなのか、という事を探求し理解する方が、人間らしいと思う。世の中物が溢れてて、皆あれをやったら次はこれとせわしなく、多くの人は気付かず、そこだけに幸せばっか求めていて本質が見えていない。今に居るという事の重要さを、心に惑わされず、なんで自分は生きているかってのを自己発見していくのが、人間の本来の喜びであり、死んでから根元に帰る為の使命でもある。」

4. 自己発見。それは本当にそう思うよ。あまりに選択肢が多過ぎて、何をしたらいいのか解ってない人って沢山居ると思う。そういう自分も、これをする為に生まれてきたのか?っていう確信は無いし、半信半疑では無いけど、やっぱ100%そう断定出来るものじゃないからね。
けど、己と向き合うっていう点に関しては、音楽はそういう側面が絶対にあると思う。
先の瞑想に続き、瞑想とは静であり、吉野君のDJは動であると思う。その相反する行為が、己のバランスを取っているのかな?

「どんだけ激しい動きをしても、激しい曲をかけても、何があってもDJ中は実は心は静なんだ。じゃなきゃ首鞭打ちになるまでヘッドバンギングも出来ないと思う。酔っ払ってる時と緊張してる時とテンション高い時以外は今の所静。何かをする時は常に静になる様努めてる。動きには、エゴがまだあると思う。でも常にそれらは愛に変えたくて、って意識でやってる。お陰様で、最近どんどん酒も飲めなくなってきてる。よい兆候だね。」

5. 今回、「」という吉野君とギター高橋'JUDI' 渓太氏を交えてのセッションライブを披露して貰うんだけど、このユニットの結成についてお聞きしたい。


「逗子にとんでもないACDC好きのギターリストが居るってBadu erykahのカジが紹介してくれて、何はともかく絶対楽しいから会おうって事で会ったんだけど、初めて会った瞬間からACDCの角を付けてて、こいつマジだって思った。HIPHOPMETALDJもあるけど心のどっか奥に、ROCKを次はやりたいって考えがあった。彼にあった時、正しくこれだって思った。自然に話が弾み、乾杯して10分でやろうと決意し結成。彼はマイアイドルでもあり正真正銘のロックンローラーだ。最狂のACDCトリュビュートを目指してる」

6. asia初のライブ楽しみしてるよ。
吉野君はTHEUS第三のメンバーとして自分は自負してる。これまでも何度かTHEUSライブにfeatしてきて、バイブスの面で相乗されるものがあるんだ。吉野君は、THEUSとのセッションで何か感じるものがある?

「グラシアス。正直、SNS上でよくTHEUS情報見てるけど、そのバイタリティーやパワーにはいつも驚かせられている。自分がしてきたセッションの中ではトップクラスの気持ち良さ。以前一緒にやった時、まあ、家で組むじゃないすか、リハして本番でやるんだけど、奏でるというよりは踊りに行くって感じ。2人とも凄いから、バイブスで負けない様にやってた。なんつーか、スクラッチというか筋トレ。すげー汗かいて痩せた。ダブステップが何が何だかわからなかったけど、THEUS聴いて体感できた。感謝しています。今後色々とツアーがあると思うけど、個人的にはアフリカの原住民族が白眼を剥いて全員踊り狂うくらいな、長老も村長もあの世に召されるみたいな最強な音になってほしいなってよく想像をしてます。そして以前MCバトルでTHEUSビートを使わせてもらったけど、みんなノリにノってたよ。ありがとう!」

7.THEUSの裏テーマはHIP HOPだからね。それでMCが楽しくラップ出来たなら本望だね。
またセッションしよう!
 最後に7/9に向けて一言。

「面子がかなり異種格闘で感動しました。やっぱりパーティはあーでなきゃと思った。感謝してます。自分等の音とバイブスが場の雰囲気と相乗し全員がブチ上がる様に心がけるよ。For those about to ROCK!


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